サッポロビール株式会社 北海道工場
工場立地の決め手は豊富な天然資源と、恵庭市民の熱意ある支援体制
サッポロビール株式会社 北海道工場 工場長 野村 真弘 様
潤沢な水と天然ガスパイプラインで環境問題と省エネ対策にも対応
恵庭市に工場立地を決めた大きな理由に豊富な水資源があります。ビール製造にとって水はとても重要で、ビール1本つくるのに、その5倍から10倍の水を使います。ビールの原料となる醸造用水、タンクや配管、空びんなどの洗浄用水、ボイラーへの給水などにたくさんの水を使用しています。
恵庭市は恵庭岳を源流とした潤沢な水資源がありますから、渇水による製造制限の心配がなく安定的に製造することができます。水質も淡色ビール(ピルスナータイプ)に適した軟水なので、ビール製造に向いております。 工場では醸造用水として恵庭市の水道水を使い、洗浄や冷却にはろ過した井戸水を使用しております。1989年の竣工当時はLPGを使用していましたが、天然ガスパイプラインが工場の近くを通ることをきっかけに、2000年には燃料転換を行いました。天然ガスは価格が安定していること、大気汚染の元凶となる硫黄酸化物がほとんど発生しないクリーンなエネルギーです。LPGに比べてもCO2排出量が少ないので、環境対策にはとても有効です。
さらに、天然ガスを燃料とするコジェネレーションを導入し、発電した電気はビール製造工程などで利用し、排熱は給湯や蒸気に変換することで高い効率の省エネルギーシステムを構築しています。
協働契約栽培による北海道産大麦の仕入れや製品出荷などの物流面に関しても主要マーケットである札幌圏に近く、国道36号や恵庭インターチェンジが近いので、道東・道北・道南いずれの方面にもアクセスができるという立地条件が魅力です。さらに、恵庭市は札幌市をはじめとする近隣に比較すると降雪量も少なく、大雪で工場からの出荷が遅れるということがほとんどありません。
JR「サッポロビール庭園駅」は「期成会」の働きかけによって誕生
北海道工場はおかげさまで2019年に竣工30周年を迎えました。弊社が恵庭市への移転を公に発表したのは1986年、竣工の3年前のことです。当時は恵庭市長をはじめ恵庭市民の方々にいろいろと応援していただきました。たとえば、恵庭市民の有志の方々によって1982年に結成され、現在も応援して頂いている「恵庭サッポロビール会」(20~80代、会員200名)の方々には、恵庭市への誘致の気運を高めていただきましたし、恵庭市や地元企業、町内会によって設立された「期成会」の皆さんの働きかけにより、JR「サッポロビール庭園駅」の建設が決まりました。全国でも企業名が付いたJR駅は極めて珍しいもので、これもやはり地元の皆さんの力だと思います。
また、昭和48年に恵庭市全体の経済や社会の発展に貢献するという主旨のもと設立された「恵庭工業クラブ」では、代表幹事として活動させて頂いています。地域の皆様との交流としては工場見学をはじめ、どなたでも自由に入園できるサッポロビール庭園やパークゴルフ場の併設、親睦事業、市内のお祭り、各種大会に協賛し、市民の方々への地域貢献とさせて頂いています。
その他、「おんこ」(=イチイ)を冠に配した「おんこ祭」(サッポロビール北海道工場ビヤフェスティバル)を竣工時から開催しておりましたが、2020年は中止となりました。今後も道産子の皆様に感謝の気持ちをお届けする活動として継続していく予定です。
サッポロビール株式会社 北海道工場
- 所在地:
- 恵庭市戸磯542番1
- (戸磯・恵南工業団地内)
- 電話番号:
- 0123-33-4111
- 本社所在地:
- 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番1号(恵比寿ガーデンプレイス内)
- 業種:
- ビール・発泡酒等製造
ビール・発泡酒等製造。工場見学には道内外から多くの観光客が訪れる。見学後には出来立てビールの試飲も行える。